遺言を残すために知っておきたいことは?

遺言書を書くことをおすすめする理由

財産なんてないから遺言書なんて書く必要がないという方も多いですが、どのような場合であっても遺言書を残しておくことをおすすめします。
なぜ遺言書を残しておいた方が良いのかというと、残された相続人の間で紛争が発生しないように防止するためです。

また、我が家の家族は仲が良いので紛争を起こすことはないという方もいるでしょうが、生活の変化などで今まで仲が良い家族であっても争いになる可能性もあるのです。
亡くなった時の状況がどのようになっているのかは想像できないものなので、残された相続の手続きで人の間でもめごとが起こらないためにも、自身の最後の意思を実現するためにも、遺言書を残すことをおすすめします

遺言で残せることは?

亡くなった方の最後のメッセージとして遺言は、法的にも強い効力が認められているのですが、具体的にどのようなことを遺言として残せるのか疑問になります。
一般的には遺言で残せることは財産の分割に関することですが、それ以外にも様々なことを残すことができて法的な効力が与えられているのです。

そのひとつが遺贈に関することで、相続人以外の方や団体などに財産を残すことができるのですが、現行法上ではペットに関して直接財産を残すことは認められていません。
2つ目は遺言執行者の指定で、遺言を残したとしてもそれを実現してくれる人を指定しておかないと、遺言書はただの紙切れになってしまうので、遺言の内容を実現してくれる人を選んでおくことができるのです。
3つ目は相続分や遺産分割方法の指定など遺産相続に関することで、相続人の相続分について法律により定められている相続分ではなくて、被相続人が相続の割合を決めることもできます。
4つ目は子の認知に関することで、遺言で子供を認知することも可能なのです。
5つ目は墓や仏壇など承継者の指定に関することで、先祖の墓や仏壇などの管理を任せる人を指定することができます。

遺言のタイプ:自筆証書遺言

死後に遺言者の意思表示を実現させる重大なものが遺言なので、形式面及び内容面共に遺言に関するルールは民法等で規定されています。
もしも、定められている規定から外れてしまうと、遺言を残したとしても無効の遺言になってしまう可能性があるのです。
遺言には数種類のタイプがあって、それぞれの遺言に対する要件が設けられているので、知っておく必要があります。

遺言書の種類について

遺言の中で一番簡単に作成することができるのが自筆証書遺言で、用紙の種類・大きさ・筆記用具などに関しての制限はありません。
また、方言で書くことも可能ですし、氏名についても本名以外に芸名や雅号であっても有効で、封筒に入れて封をするかどうかも自由です。
自筆証書遺言が有効であるための条件は、遺言の内容全文・日付・氏名のすべてが自筆で書かれていて、押印されていることです。
ですから、ワープロや代筆で作成されたものは無効となりますし、印鑑は認印でも実印でも良いのですが、押印されていないと無効になります。

また自筆証書遺言は、遺言者が亡くなった後に家庭裁判所に届け出て検認手続をする必要があって、これは遺言が執行される前に偽造・変造をされないためです。
ちなみに、検認はあくまでも証拠保全手続きのひとつなので、遺言書の内容の有効性を確認するものではないため、検認を受けたからといって遺言の有効性が認められるわけではないのです。

遺言のタイプ:公正証書遺言

公証役場において2名以上の証人が立会って遺言者本人が遺言の趣旨を口頭で述べ、それを公証人が筆記して作成するのが公正証書遺言です。
筆記が完了したら公証人が内容を読み聞かせて、遺言者と証人が内容に間違いのないことを確認したら、遺言書にそれぞれ署名し、印鑑証明書を添付した実印で押印します。
そして、最後に公証人が法律の様式に従って作成されたものである旨を付記して、署名・押印することで完成します。
ただ、遺言者本人の意思の表示が不明瞭な状態の場合には遺言の作成はできませんし、証人となれるのは利害関係のない成人に限られます。
ちなみに公正証書遺言については、遺言者が生存している間は本人以外の閲覧はできませんし、死亡後は利害関係人のみ閲覧や謄本の交付の請求が可能となっています。

遺言のタイプ:秘密証書遺言

遺言者が作成した遺言書を公証役場に持参して、公証人に本人が認める遺言書であることを証明してもらう遺言が秘密証書遺言です。
遺言書の作成は、自筆・代筆・タイプやワープロのいずれでも大丈夫ですが、署名と押印については必ず遺言者自身が行う必要があります。
また、遺言書は封筒に入れて遺言書に押印した印鑑で封印する必要があります。
それから公証人は遺言書を提出した日付、遺言者の遺言書であることに間違いないと申し述べた旨を封書の表に記載し、遺言者と2名以上の証人と共に署名・押印して証明します。
ちなみに秘密証書遺言は、遺言を作成したことは秘密にできませんが、内容を秘密にすることが可能です。
ただ、遺言者が亡くなった後に自筆証書遺言と同じく、家庭裁判所による検認手続が必要となります。